理事長所信

第43代理事長 宮口剛 ごあいさつ

公益社団法人だて青年会議所
第43代理事長 宮口 剛

スローガン
ともに
~未来へつなぐ~

【はじめに】

想像してみてください、10年後の未来を。
我々の活動エリアである「伊達市」「国見町」「桑折町」
このだて地域で住み暮らす上で私たちの生活は、時代の流れやニーズの変化により常に様々な課題が山積しています。少子高齢化が進み人口は減少し各地の学校は統廃合を余儀なくされ、学習環境の変化や学校行事や部活動は縮小し、介護医療費は増加を続けています。また、だて地域が誇るべき産業である農業においては担い手、働き手の不足により耕作放棄地が増加し、深刻さは年々増しています。また、ニュースを見ると為替市場は円安に歯止めがかからない状況となっており、あらゆるモノが値上がりし、財布を圧迫しているにもかかわらず世帯平均所得はここ20年ほぼ横ばいと伸び悩んでいます。一歩外に出れば常に新型コロナウイルスなどにより、パンデミックの脅威にさらされ続け、生活環境や働き方に変化を及ぼしました。また、ここ数年の台風などの大雨では、家財や家屋を失う程の水害が相次ぎ、2022年3月に発生した地震では、主要道路に架かる橋が通行止めとなるなど、未だに大きな爪痕が残されています。
もちろん暗い話ばかりではありません。先人が夢見た東北中央道、相馬-福島間の開通以降、地域間の連携や交流ネットワークは広がったことにより、各地で工業団地が拡大され、2024年には大型商業施設が開業予定となっており、周辺の開発を含め、このまちの経済発展に大きな期待が高まっています。また、夏の甲子園では聖光学院高校が初のベスト4入りを果たし、選手のユニフォームに刻まれた伊達市の文字が、このだて地域に注目を与えてくれただけでなく、その雄姿はだて地域のみならず多くの人の心に希望と感動を与えてくれました。
我々青年会議所はこのだて地域が10年、20年、その先の未来も、ここに住まう人々が明るい豊かな生活を続けられるよう、この地域を想う人々とともに、より良い変化をもたらす存在となれるよう力を尽くしてまいります。

【未来へつなぐ社会】

皆さんは10年後の未来、このだて地域にどんなモノが増えてほしい、残していきたいと望みますか。何も気にせず元気に外で遊ぶ子供、やりがいをもって勤め続けられる事業所、だて地域を誇る桃やあんぽ柿などの農作物、自然豊かな原風景。担い手の不足や、生活を脅かすウイルスなど10年後無くなっていて欲しいモノもたくさんあります。
そして何より無くしてはならないのは夢を描くことです。将来の夢や就きたい職業を今の子供たちに問いかけたらどんな言葉が返ってくるのでしょうか。YouTuberやプログラマーなど、私たちの子供の頃とは様変わりしているかもしれません。しかし、何かに憧れ、夢を描くことは、今も昔も何ら変わりません。人が夢に向かって行動するときには大きなエネルギーが生まれます。そのエネルギーは経済を循環させ、多くの人がこのまちに集まり、人を呼ぶまちから人が集まるまちへと変化できると信じています。
10年後の未来も子供たちが夢を描き、その夢に向かって走り続け、実現できる地域となれるよう、私たちは青年経済人としてこれまで得た知識と経験を活かし、だて地域の経済が、活発に循環するまちを目指し、この地域に住まう人々とともに力を尽くしてまいります。

【これからのひとづくり】

私たちの生活にはこれからの社会を担う子供たちの教育、新型コロナウイルスワクチン接種などの医療、高齢化社会での老後を支える介護、インフラ整備など様々な行政サービスが必要不可欠です。それを司る行政の活動と財源である税金の使われ方に我々の声を届けることは、私たちの生活向上や、経済向上に必要不可欠です。投票権が18歳に引き下げられ、より若い世代が政治に参画することが可能となりました。民主主義国家の国民の最も重要な行動は選挙での投票です。一票の大切さを理解し、その権利を放棄することなく投じ、政治参画意識を醸成する機会を創造してまいります。
また、新型コロナウイルス蔓延以降、各種スポーツ大会の中止など我々の活動には様々な場面で制限が課せられました。老若男女が心身ともに健康であり続けることは学業に励む青少年はもちろんのこと、働く世代の生産性にも大きく影響を及ぼすと考えます。
豊かな心と健康な体を維持することは、持続可能な社会の実現のためには必要不可欠であり、我々はその必要性を市民一人ひとりに投げ掛け、意識を向上し、一人ひとりが輝けるまちを、市民とともに創り上げてまいります。

【存続し続ける組織であるために】

地域に影響力のある団体として存続し続けるためには、組織の力を最大化させ、魅力ある運動を巻き起こし、発信し続けることが肝要です。青年会議所では、単年度制というシステムを取り入れることで様々な役職を経験できます。その役職を受けることで、辛い、苦しいと落ち込むこともあるかもしれません。しかし、そんな時には必ず周りの仲間が手を差し伸べてくれます。そして、その苦難を乗り越えた先には大きな成長とかけがえのない友情を築くことができます。それこそが青年会議所の最大の魅力であると考えます。
インターネットやSNSを活用し、これまで以上にその魅力をに発信し、人を集める組織から人が集まる組織へ変化させることで、ともに活動する仲間を増やせると確信しています。また、これまで行ってきた運営が最善の方法になっているのか検証し、新たな手法などを取り入れ、不要なものを廃止し最適化することで、存続し続けることのできる組織を目指します。

【日本青年会議所との連携】

私たちの活動には欠かすことのできない力強いパートナーが存在します。それは日本青年会議所です。本会、地区協議会、ブロック協議会の3つの柱で構成され、そこに出向することは人財育成のドーピングと言われています。多くのメンバーを輩出し、LOMでの活動ではできない経験や成長を成し遂げ、LOMでの活動や社業へ活かせると信じています。また、様々なLOM支援を活用し、私たちだけではなし得ないような事業を展開していきたいと思います。そして、京都会議やブロック大会をはじめとする各種大会では多くの学びの機会が提供されます。積極的にこの機会に触れ自らの成長につなげたいと思います。

【おわりに】

「だてはひとつ」1981年に掲げられたこの基本理念のもと、創立以来42年間先輩諸氏から受け継がれてきた熱い想いがあります。自然豊かな原風景に囲まれるだて地域には、誇るべき歴史や魅力的な農産物、優しさとぬくもりにあふれる人財があります。
新型コロナウイルスの蔓延以降、これまでの生活環境は一変し、地方の魅力が再認識されました。夢を描き実現させる場所は、必ずしも都会ではないはずです。このだて地域が明るく豊かであり続けるために、「自分たちの手でこの地域を守り続けるんだ」という想いを伝播させ、一人でも多く、情熱を燃やす仲間を募り、この地域に住まう人々と心をひとつにし、持続可能な組織と地域の実現に向けて邁進してまいります。
ともにこのだて地域を未来へつなぎましょう。

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